祈りの頂 富士山 VOL.2

冠雪と新茶の緑美観
新茶シーズンを迎えた県内。各地でもえぎ色の茶畑が人々の心を和ませる。広大な茶畑の向こうに、そびえ立つ富士山を仰ぎ見ることができる富士市。山麓で暮らす人々は、いにしえから霊峰に畏敬の念を抱きながら農作業に精を出し、優れた産地を形成してきた。地域住民らは景観の保全活動を続けている。
冠雪の富士山を背に広がるもえぎ色の茶畑=2020年04月22日、富士市

ジオと調和 秀麗な姿
世界ジオパークの伊豆半島。西伊豆の海岸線はリアス式で変化に富む。小さな島が点在し、波の浸食が作り出した岩肌の自然美が特徴的だ。駿河湾越しに比類なき秀麗な姿でたたずむ富士山は、自然が織りなす伊豆半島の絶景の中でも、抜群の存在感を発揮。霊峰は日本人の美意識や自然観の原点として、国内外の芸術家の創作意欲をも刺激する。
自然豊かな西伊豆の海岸線と富士山=2020年04月22日、本社ヘリ「ジェリコ1号」から

海を抱き 見守る春漁
夕闇が迫るころ、サクラエビ春漁の初日を迎えた焼津沖は"駿河湾の宝石"を求めて由比漁港から出漁した漁船が行き交う。折からの不漁にコロナ禍が加わり、厳しさが増す今季。駿河湾に恵みをもたらす雄大な霊峰富士が、全てを包み込むほどに大きく裾野を広げ、船を見守っているようだった。
雄大な富士山を背に操業するサクラエビ漁船=2020年04月14日、焼津沖